
時を戻そう
時代はノストラダムスの大予言などと騒がれ、ついには2000年ミレニアムを迎えた。
やっとの思いでAV業界と繋がった細い糸。
ゆっくりと辿り、登って行くしかない。
それには、誘われた仕事は全て受けるしかないのだ。
少なくとも選んでいる余裕など俺には無かった。
とは言え、かけ出し無名のエキストラ男優が誘われる仕事など少なく、たかが知れたものだ。
さて、今回受けた現場内容とはいかなるものであろうか?
当時の業界は勢いを増し、
巨大勢力へと変貌していた。
それは、月間にして数百本のタイトルリリースがある程の勢い。
そのため、売れっ子男優は一日に二現場は当たり前。
三現場四現場ハシゴすることすら珍しいことでは無かった。
しかしそれはピラミッドで言う頂点に値するランクで、
男優ヒエラルキー底辺の我々は贅沢なことなど一切言えない強制労働者みたいなものである。
その日も事前に知らされた都内某所にある撮影スタジオへと向かった。
様々な条件から、このように一軒家をスタジオ貸しする場合、事故物件であったり差し押さえ競売物である。
そんな空き家を期間限定で撮影スタジオとして貸し出したりしているのだ。
そんなことから、スタジオで起こる怪奇現象も多々あり、曰く付きと言われていた。
その話は、また機会があった時にでも話そう。
辿り着くと、そこは大勢のエキストラ男優でひしめいていた。
30~40人?
一階リビングを大きく開け、現場の設定がされていた。
もちろん
- 女優のメイク場所
- 監督、助監
- プロダクションマネージャー
- カメラマン
二階の子供部屋やキッチン、書斎などで
我々エキストラは息を潜めていなければならなかった。
もちろんお茶や、繋ぎ(お菓子や軽食)のもてなしなどなく、
むさ苦しい野郎共と出番が来るまでジッと待つだけのスペースだ。
それにしても怪しい空間。
色んな事情があるのだろう。それぞれ各自マスクやサングラスを装着している異様な集団。
持参したエロ本を片手に既にイチモツを触ってる者もいた。
いや、それ軽いフライングだろ~
その他、体育座りのまま熟睡している者もいる。
(だいぶお疲れの様子!ご苦労様ですねぇ)
各々スタンバイを兼ねて体力温存しているのだ。
暫くするとアシスタントディレクター通称ADから、現場となる一階リビングへ集合の声がかかった。
いわゆるリハーサルってやつ。
「皆さんには事前に白ブリーフを配ります」
ぶりーふ?
B〇Dなのかグ〇ゼなのか?ドンキなどで売っている数枚セットの安物なのか?
我々のやらねばならぬ事、
与えられたミッションとは一体何であろうか?
その全貌はこれだ
Next Mission.
- 女優と男優がいるベッドを囲むように我々はスタンバイする。
- セ〇クスが始まり、騎乗位の状態で女優の顔に数発発射。
- バックで数発。
- 正常位で残りの皆んなが左右から発射して行く。
もちろん我々は、女優の身体に一切触れず自己発電。
そして最後に男優が女優の顔に顔射して全てがおわるのだ。
説明を聞いて、
部屋中が野郎の精子の臭いで蔓延することが想像出来た。
気持ち悪い~
「いいですかー皆さんは、ブリーフの中でシゴいて下さいね!」
作品にはモザイク処理がある為の対処だ。
要するに雑魚である我々1人1人のイチ〇ツにモザイクをかけていては手間もかかり大変なのだ。
発射する者は手をあげて、前に出ること。
そして、皆んなが協力して道を開けることが大切。
これは連携プレイが必要。
そう、これが大人数ぶっかけ物と呼ばれるであり、
当時の流行りでもあった。
少なくても今回のように30~40人
多い時で、100人も当たり前。
英語で言うと
one hundred
顔に100ザ〇メンって、、、
スゴイ、、、
そして、その作品に必要不可欠な人物。
それこそ、、我々
汁男優である!
<<BUKKAKE Bravers>>
な~んて
ちょっとカッコつけてみた
さぁ、いよいよ本番が始まる。
とは言え
旋律が走る
初体験ではあるが
やるしかないのだ!
大丈夫か?
大丈夫なのか俺?
この先の明暗分ける大切な場面を迎えようとしていた、、、、。
後半につづく